少年野球の車出し確認をLINEでする方法|「誰かお願いします」をやめて、「出せない」も回答にしたら配車が動いた

少年野球の車出し確認をLINEでする方法|「誰かお願いします」をやめて、「出せない」も回答にしたら配車が動いた

「来月の遠征、車を出せる方、お願いします!」

藤井さんは、少年野球チームの保護者LINEに、そう送った。送信から一時間で、既読が二十四になった。返事は、二件。

「既読は、増えてるのに……」

藤井さんは、画面を睨んだ。既読の数字だけが、上がっていく。無言の拍手である。見てくれているのは分かる。ただ、拍手の音が、車の台数には、一向に変わらない。

返事の二件は、「出せます」と「すみません、出せません」だった。残りの二十二家庭は、沈黙している。

その沈黙が、不可なのか。検討中なのか。そもそも、自分は対象なのかどうか分からないのか。藤井さんには、判別できない。互いに、文面を正しく読んだ結果、必要な情報だけが集まらない。

「うおぉぉぉ……(三秒の沈黙)……誰が出せるのか、誰が出せへんのか、誰が考え中なのか、全部、無言やん……」

藤井さんは、リビングの床に、座り込んだ。

「誰かお願いします」では、不可の返事が行き場を失う

藤井さんは、考えた。「車を出せる方」と募集すれば、出せない家庭は、自分は対象ではないと思って、黙る。誰かが答えるだろうと待つ家庭もいる。予定が未確定の家庭もある。そこに「ご協力をお願いします」を、もう一度送っても、状況の内訳は変わらない。

全家庭の移動を把握したいなら、車を出せる人を探す募集と、全員に回答を求める確認は、分けたほうがいい。

もう一つ、藤井さんが気づいたのは、「不可」の返事の扱いである。車を出せないと答えた直後に、理由を聞かれるなら、次から親は、返信に慎重になる。断るための面談が始まると、「不可」という二文字に、ずいぶん準備が必要になる。事情がある家庭も、単にその日は無理な家庭も、まず「対応できない」という事実だけを伝えられるようにしたい。

「無理です」が早く分かれば、担当者は、別の方法を考えられる。協力は、車を出すことだけではなく、出せないと知らせることでもある。ほんまに、「出せません」の一言は、配車の立派な材料である。

ただし、不可を送った家庭に、その場で別の仕事を、罰のように追加すると、意味が変わってしまう。回答した瞬間に、次の担当が届く仕組みなら、沈黙が人気になるのも無理はない。

一つの返事で、何が分かれば組めるかを決める

藤井さんは、ノートに、配車を組むために必要な項目を書き出した。参加するか、往復か、現地集合か。車を出せるか。実際に乗せられる選手の数。その試合に必要な項目だけに、絞る。途中で別の予定がある場合の個別の窓口も、置く。

全部を自由に書いてもらうと、読み取る作業が増える。選択肢だけだと、例外が消える。その間を、実際の家庭の予定に合わせて、調整する。

会場に入れる台数と、道具を積む車も、確認する。車がたくさん集まったからといって、駐車の条件を無視してよいわけではない。前回うまくいった表を使うなら、まず今回の条件に直す。コピーできるのは形式であって、他の会場の許可まで複製できるわけではない。

藤井さんが、一番大事だと思ったのは、これである。「出せない」も、回答として受け取る。

「参加・車出し可能」「参加・車出し不可」「現地集合」「欠席」。この四択を、全家庭に聞く。片道だけの対応や、未確定の条件を相談できる窓口も、残す。そして「不可」と答えた家庭に、全員の前で理由を聞かない。家庭の予定や運転の条件は、それぞれ違う。断るたびに事情の審査が始まれば、親は、未回答のままにしておくほうが楽になる。

車を出せない家庭でも、別の役割なら可能なことはある。それは別に相談する。車出し不可への罰として仕事を載せると、次から、回答の意味が重くなる。できる範囲を確認することと、できないことへの請求を作ることは、分けておく。

そのまま直して使える確認文

○月○日、○○会場での試合について、参加と車出しを確認します。集合は○時、出発は○時、帰りは○時頃の見込みです。変更が分かり次第お知らせします。○月○日○時までに、①参加・車出し可能 ②参加・車出し不可 ③現地集合 ④欠席 のいずれかをご回答ください。車出し可能な方は、往復の対応可否と、安全に乗せられる選手の人数をお願いします。片道のみ、荷物等の条件がある場合は、担当○○へ個別にご相談ください。費用は○○のルールで扱います。

日付や費用は、チームで確認した内容に置き換えてください。未定の帰着時刻を、確定のように書かない。選択肢で実際の移動が表せない家庭には、個別の相談先を使ってもらう。文例を使うこと自体が、配車の条件を確認したことにはならない。

催促するなら、「○月○日○時時点で、回答を確認できていません。行き違いの場合はお知らせください」と、確認できた事実だけを伝える。全体に、特定の家庭の名前を並べて責める形は、避ける。

藤井さんは、この文面を、送る前に、もう一度読み返した。そして、一つだけ、見つけてしまった。集合時刻が、出発時刻になっていた。

「どぇぇぇーー! これ送ってたら、全員、一時間待ちぼうけやったやん!」

藤井さんは、スマホを高く掲げて、叫んだ。直して、もう一度、読む。大丈夫。今度は合っている。

配車表の作り方は、ミニバスの配車表の作り方|「誰をどの車に乗せるか」より先に決めることにも書いています。

出せない返事も、配車を前へ進める情報になる

締切のあとは、誰が未回答を確認し、難しい判断を誰に渡すのかを、決めておく。返事がない家庭を、勝手に「欠席」や「車出し可能」として数えない。安全に必要な移動の情報を確認して、当日の変更窓口も知らせる。ここまでが、使えるお願いの続きになる。

ClubCore(倶楽部コア)は、出欠、予定、配車を一か所で共有するために作りました。「誰が出せて、誰が出せないのか」が、画面の上で見えます。実際の画面はデモで見られます。

次の遠征、既読の数は気にしなかった

翌月。遠征の三週間前。

藤井さんは、四択の確認文を送った。一時間後、返事は、十九件。前回の十倍近い。

「参加・車出し可能。選手三人まで」 「参加・車出し不可」 「現地集合で参加します」 「片道のみ、往路なら出せます」

不可の返事も、ちゃんと混ざっていた。誰も、理由を聞かれなかった。

未回答は、五家庭だけだった。期限後に一度だけ、確認できていない旨を送ると、全員、その日のうちに返事をくれた。

藤井さんは、ノートに、配車表を書き込んでいった。既読の数字は、一度も見なかった。車は、ちょうど、足りた。

遠征の日。バスの代わりに、五台の車が、並んでいた。後部座席の子どもたちの笑い声が、窓越しに聞こえる。藤井さんは、一番後ろの車に乗り込みながら、思った。

「出せません」の返事が来た家庭のことも、ちゃんと、数に入っている。それが、いちばん、ほっとした。

あなたのチームではどうですか?

スポ少・少年団・クラブチームで実際にあった出来事や、保護者として感じていることを匿名で教えてください。ClubCoreブログの記事づくりの参考にさせていただく場合があります。

※個人名・チーム名・学校名など、個人や団体を特定できる情報は入力しないでください。

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