親がサッカーのコーチを嫌いになったとき、子どもにどこまで言うべきか?指導・起用への不満で絶対に越えてはいけない線

目次
- •結論:子どもがコーチを嫌っていないなら、親の「嫌い」は基本的に子どもへ渡さないほうがいいです
- •親がコーチを嫌いになる本当のきっかけは、指導より「自分の子の扱われ方」であることが多い
- •私が一番怖いと思うのは、親の不満を子ども自身の不満に変えてしまうことです
- •「本当のことを言って何が悪いの?」という親ほど注意したほうがいい
- •子どもがコーチを慕っているなら、そこはかなり重く見たほうがいい
- •ただし「子どもが好きと言っているから何でも我慢する」も違います
- •親が一番やってはいけないのは、車の中での「試合後反省会」です
- •起用への不満があるなら、まず子どもに「出たい?」と聞く
- •コーチへ意見するなら、「なぜ出さないんですか?」ではなく「何が足りませんか?」
- •「コーチがおかしい」と「このチームがうちの子に合わない」は別です
- •移籍を考えるなら「親が限界」ではなく、この4項目を見る
- •子どもにはどこまで言っていいのか
- •親の役割は、子どもの代わりに怒ることではない
- •まとめ:親がコーチを嫌いでも、子どもまで嫌いにさせる必要はない
結論:子どもがコーチを嫌っていないなら、親の「嫌い」は基本的に子どもへ渡さないほうがいいです
親がサッカーのコーチを嫌いになること自体は、別に珍しいことではありません。
指導方法が気に入らない。自分の子だけ起用時間が短い。ミスをしたときだけ強く言われる。他の子には優しいように見える。試合で結果を出しているのにスタメンにならない。
毎週見ていれば、そりゃ腹が立つこともあります。
ただ、一つだけ切り分けたほうがいい。
**あなたがコーチを嫌いなのと、子どもがそのコーチの下でサッカーを続けたいかどうかは、別の問題です。**
ここを混ぜると危ないです。
子どもが練習から帰ってきて、
「今日コーチに褒められた」
と嬉しそうに話している。
そこで親が、
「でもあのコーチ、お前のこと全然評価してないじゃん」
と言ったらどうなるでしょう。
親としては「現実を教えている」つもりかもしれません。
でも子どもからすると、自分が信頼している人を、一番信頼している親から否定されたことになります。
これ、結構きついです。
コーチへの不信感を植え付けるだけではなく、子ども自身が持っていた「サッカーが楽しい」という感覚まで濁らせる可能性があります。
親がコーチを嫌いになるのは自由です。
でも、その感情を子どもにも共有させる必要はありません。
親がコーチを嫌いになる本当のきっかけは、指導より「自分の子の扱われ方」であることが多い
少し嫌な言い方をします。
保護者が「このコーチの指導方針はおかしい」と言い始めたとき、本当に指導方針だけが問題なのかは、一度考えたほうがいいです。
例えば、ずっとスタメンだった子がベンチになった翌週から、
「あのコーチは勝利至上主義だ」
と言い始める。
逆に、補欠だった子がレギュラーになった途端、同じコーチについて、
「ちゃんと努力を見てくれる指導者だ」
と言う。
こういうことは普通にあります。
人間なので当然です。
自分の子が評価されれば、コーチを見る目は甘くなる。評価されなければ、厳しくなる。
だからこそ、コーチに腹が立ったときは最初に自分へ聞いたほうがいい。
**「もし今日、自分の子がスタメンだったとしても、俺は同じことを問題だと思うか?」**
ここで答えが変わるなら、指導問題というより起用への不満が大きい可能性があります。
それ自体が悪いわけではありません。
親なんだから、自分の子を試合に出してほしいと思うのは普通です。
ただ、それを「教育論」や「指導方針」の話に変換すると、問題の正体が分からなくなります。
私が一番怖いと思うのは、親の不満を子ども自身の不満に変えてしまうことです
現場で起こり得るケースを一つ再構成してみます。
小学校高学年の選手がいました。
練習にはほぼ休まず参加する。技術も決して低くない。ただ、公式戦では途中出場が多い。
本人は最初、それほど気にしていませんでした。
「今日は後半から出た」
「次はもっと走る」
そんな感じです。
ところが、試合の帰りの車で親が毎回言います。
「なんで○○君が先発なんだろうな」
「お前のほうがうまくない?」
「あのコーチ、見る目ないんじゃない?」
「お前ばっかり損してるよな」
最初、子どもは、
「別に」
と答えていた。
そのうち、
「俺もそう思う」
と言い始めます。
さらに数週間すると、試合後に、
「どうせ俺は出してもらえないから」
と言うようになる。
ここで面白いのは、最初から子どもがコーチに不満を持っていたわけではないことです。
親が何度も「お前は不当に扱われている」と説明した結果、子ども自身もそう解釈するようになった。
もちろん、本当に不公平な起用だった可能性もあります。
ただ、子ども自身がどう感じているのか確認する前に、親が答えを渡してしまった。
私はこれが一番怖いと思っています。
「本当のことを言って何が悪いの?」という親ほど注意したほうがいい
こういう話をすると、
「でも事実じゃん」
と言う人がいます。
確かにそうかもしれません。
コーチが見る目のない人かもしれない。起用がおかしいかもしれない。お気に入りの選手を優先しているかもしれない。
ただ、事実かどうかと、子どもに言うべきかどうかは別です。
例えば小学5年生の子どもに、
「あのコーチは○○君のお父さんと仲がいいから、○○君を出しているんだよ」
と教えたとします。
仮に親がそう感じるだけの材料があったとしても、子どもにとって何のメリットがありますか。
次の練習から、
「頑張ってもうまくなれば試合に出られる」
ではなく、
「どうせコーチのお気に入りが出る」
という世界になります。
それって、親が守ってあげたことになるのでしょうか。
私は逆だと思います。
親の世界では「大人の事情を教えてあげた」でも、子どもの世界では「努力する意味を一つ消された」可能性があります。
子どもがコーチを慕っているなら、そこはかなり重く見たほうがいい
これ、ものすごく重要です。
親から見ると、
「あんなコーチのどこがいいんだ」
と思うかもしれません。
でも子どもにとっては、違う面が見えていることがあります。
練習前に声をかけてくれた。シュートを褒めてもらった。失敗したあとにもう一度使ってもらった。自分の名前を覚えてくれている。
大人には小さく見えることでも、子どもにとっては大きい。
親がスタンドから見るコーチと、選手として接している子どもが見るコーチは同じではありません。
だから子どもが、
「俺、コーチ好きだよ」
と言っているなら、かなり尊重したほうがいい。
親が嫌いだからといって、わざわざ、
「お前は知らないだけだよ」
と訂正する必要はありません。
むしろ、
「そうなんだ。どんなところが好きなの?」
と聞けばいい。
そこで初めて、親が知らなかった関係性が見えることがあります。
ただし「子どもが好きと言っているから何でも我慢する」も違います
ここは誤解されたくありません。
子どもがコーチを好きなら、すべて黙って受け入れろという話ではありません。
親が止めなければいけないラインはあります。
例えば、継続的な暴言や人格否定、身体的な危険を伴う指導、明らかに子どもの心身へ悪影響が出ている状態です。
また、練習前になると毎回腹痛を訴える、以前は楽しみにしていた練習へ行きたがらなくなる、帰宅後に極端に落ち込むなど、子どもの変化が続くなら確認が必要です。
ここでは、「コーチが好きか嫌いか」より子どもの状態を見るべきです。
つまり判断基準は、
**親が不愉快かどうかではなく、子どもが安全に成長できているかどうか。**
ここを基準にすると、かなり整理しやすくなります。
親が一番やってはいけないのは、車の中での「試合後反省会」です
少年サッカーで結構危ないのが、帰りの車です。
試合が終わった直後なので、親も興奮しています。
「なんで今日スタメンじゃなかったの?」
「コーチに何か言われた?」
「○○よりお前のほうが絶対うまいだろ」
「交代させられて悔しくないの?」
これ、質問しているようで、実際には答えを誘導しています。
「お前は不当に扱われていると思え」
というメッセージになっている。
子どもが、
「今日は○○が良かったからじゃない?」
と言っても、
「いやいや、お前のほうが良かったよ」
と親が否定する。
そこまでいくと、もはや子どもの感想を聞いていません。
親が納得する答えを言わせたいだけです。
試合後に聞くなら、
「今日どうだった?」
くらいで十分です。
「楽しかった」
なら、それも立派な答えです。
親から見ると不満だらけの試合でも、本人が「楽しかった」と言っているなら、その感情まで訂正する必要はありません。
起用への不満があるなら、まず子どもに「出たい?」と聞く
意外とこれを飛ばす保護者がいます。
親は試合に出してほしい。
でも本人はどうなのか。
ここを確認していない。
「もっと試合に出たい?」
と聞いて、
「出たい」
と言うなら、その次です。
「じゃあ、何ができれば出られるかコーチに聞いてみる?」
これなら、主語は子どものままです。
一方、
「コーチにお父さんから言ってやろうか?」
になると、主語が親になります。
この違いは大きいです。
本人がまだ悔しさを感じていないのに、親だけが起用を問題視して動き始めると、いつの間にか「子どものサッカー」ではなく「親対コーチ」になります。
そして、こうなると負けるのはたいてい子どもです。
コーチへ意見するなら、「なぜ出さないんですか?」ではなく「何が足りませんか?」
コーチへの聞き方でも結果は変わります。
「うちの子、なんで試合に出られないんですか?」
これは質問の形をしていますが、かなり詰問に近い。
相手は防御的になります。
それより、
「本人はもっと試合に出たいと言っています。今の段階で、どこを改善すると出場機会につながりますか?」
と聞く。
これなら、具体的な話になります。
「守備の戻り」
「ボールを持っていないときの動き」
「練習中の強度」
など、課題が出てくるかもしれません。
もちろん、説明が曖昧なコーチもいます。
「総合的に判断しています」
だけで終わるかもしれない。
その場合も、一度の回答だけで喧嘩する必要はありません。
次の数週間、実際の指導と起用を見ます。
言われた課題を改善したのに評価が変わらない。説明も毎回変わる。他の選手との基準にも一貫性がない。
そこまで見て初めて、「この環境が本当に子どもに合っているのか」を考えればいい。
「コーチがおかしい」と「このチームがうちの子に合わない」は別です
ここはかなり大事です。
親は、移籍を考え始めると、
「今のコーチが間違っている証拠」
を集め始めることがあります。
でも、別にコーチを悪者にしなくても移籍していいんです。
例えば、コーチは守備を重視する。
子どもはリスクを取ってドリブルしたい。
コーチは試合結果を重視する。
家庭は小学生年代では出場時間を重視したい。
どちらかが悪いとは限りません。
単に価値観が合っていない。
レストランと同じで、ラーメン屋に入って「なんで寿司がないんだ」と怒っても仕方ないんです。
その店が悪いのではなく、行く店を間違えている。
チーム選びも似ています。
方針を変えさせることにエネルギーを使うより、家庭と子どもの希望に合った場所を探したほうが早い場合があります。
移籍を考えるなら「親が限界」ではなく、この4項目を見る
コーチへの嫌悪感だけで辞めると、後から子どもが納得しないことがあります。
私は、少なくとも次の4点を分けて考えたほうがいいと思います。
1つ目は、子ども自身が現在のチームで続けたいのか。
2つ目は、コーチの指導によって実際に成長している部分があるのか。
3つ目は、起用への不満が一時的なものなのか、数か月単位でも説明と実態が一致しないのか。
4つ目は、別のチームへ行った場合に何が改善されるのか。
特に4つ目は重要です。
今のコーチが嫌いだから辞める、だけでは移籍先でも同じ問題が起きます。
次のチームでも試合に出られなかったらどうするのか。
次のコーチにも気に入らないところがあったらどうするのか。
「何から逃げるか」だけではなく、「どんな環境を選ぶのか」を決めないと、移籍が単なるリセットになります。
子どもにはどこまで言っていいのか
私なら、こんな線引きにします。
まず、子どもの感情は否定しない。
「コーチ好き」
と言うなら、
「そうなんだ」
でいい。
次に、親の評価を事実として教えない。
「あのコーチはお前を評価していない」
「あの子だけお気に入りだ」
「見る目がない」
こういう言葉は避けます。
一方で、子どもから、
「なんで自分は試合に出られないと思う?」
と聞かれたら、誤魔化す必要もありません。
「お父さんにも正確な理由は分からない。知りたいなら一緒に聞く方法を考えよう」
でいいと思います。
分からないものを「コーチが嫌っているから」と補完しない。
これだけでも相当違います。
親の役割は、子どもの代わりに怒ることではない
子どもが理不尽な目に遭っていたら、親は守る必要があります。
これは当然です。
でも、「守る」と「親が先回りしてすべての不満を処理する」は違います。
悔しいなら、まず本人がどう感じているか聞く。
試合に出たいなら、何を改善すべきか考える。
説明が必要ならコーチに聞く。
環境そのものが合わないなら、移籍も考える。
この順番です。
最初から親が、
「あのコーチはダメだ」
と結論を出してしまうと、その後に子どもが何を言っても、全部その結論の材料に見えてしまいます。
親がコーチを嫌いになることはあります。
私だって、指導を見ながら「それは違うだろ」と思うことはあります。
でも、そこで一度止まれるかどうか。
**これは子どもの問題なのか、それとも今は親である自分が腹を立てているだけなのか。**
この問いを一回挟むだけで、かなり変わります。
まとめ:親がコーチを嫌いでも、子どもまで嫌いにさせる必要はない
少年サッカーでは、親とコーチの見方が一致しないことなんて普通にあります。
自分の子ですから、起用されなければ悔しい。
雑に扱われたように見えれば腹も立つ。
それ自体を「親は黙って見守るべき」と綺麗事で片づけるつもりはありません。
ただし、親の不満を子どもの頭の中へそのまま移植するのは違います。
子どもがまだコーチを信頼していて、練習を楽しみ、上手くなろうとしているなら、その関係を親の感情だけで壊す必要はありません。
逆に、本当に子どもが苦しんでいるなら、親が動く。
この順番を間違えないことです。
コーチが好きか嫌いかではなく、
「この環境で、今この子は前を向いてサッカーをしているか」
を見る。
結局、親が守るべきなのは自分の納得ではありません。
子どもがサッカーを好きでいられる余地です。
あなたのチームではどうですか?
スポ少・少年団・クラブチームで実際にあった出来事や、保護者として感じていることを匿名で教えてください。ClubCoreブログの記事づくりの参考にさせていただく場合があります。
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