スポ少の出欠確認をLINEですると起きる5つの問題|「参加・欠席」だけなのになぜ毎回疲れるのか

スポ少の出欠確認をLINEですると起きる5つの問題|「参加・欠席」だけなのになぜ毎回疲れるのか

火曜日の夜、保護者LINEに「日曜日の試合、参加・欠席を木曜日までにお願いします」と流れる。聞かれているのは参加か欠席か。それだけである。志望動機も800字の作文も不要だし、「あなたにとってスポーツとは何ですか」も聞かれていない。

それなのに木曜日の夜になっても全員そろわない。「未回答の方、お願いします」と再送され、既読だけは順調に増えていく。金曜日になって「すみません、今気づきました。参加です」、土曜日になると「やっぱり兄弟の予定があって欠席でお願いします」。二択の質問だったはずなのに、気づけば担当者だけが長編サスペンスを見せられている。

スポ少の出欠確認をLINEですると面倒なのは、保護者の性格が悪いからではない。そもそもLINEは会話をするには便利だが、「誰が回答済みで、誰が未回答で、現在の確定情報は何か」を管理するために作られたものではない。そこへ出欠、車出し、変更、質問、雑談まで全部放り込むから、「返事をするだけ」の仕事が毎週ちょっとした運営プロジェクトになる。

問題1 返事は来ている。それなのに、誰が参加するのか分からない

最初の数人までは実に快適だ。「参加します」「欠席します」「参加です。車も出せます」。担当者も、このままなら五分で終わりそうだと思う。ところが途中で「集合時間は何時ですか?」が入り、「ユニフォームは白ですか?」が続き、「了解です!」というスタンプが並び、なぜか誰かの「ありがとうございます😊」まで挟まる。

出欠の回答は、どんどん上へ流れていく。LINEには「このメッセージはチーム運営上かなり大事なので、永久に上部へ固定しておきます」という親切な空気読み機能はない。下に来るのは重要な情報ではなく、最後に送られた情報である。つまり、出欠確認の途中で「昨日の試合ありがとうございました!」が盛り上がれば、出欠表は容赦なく地層の下へ沈む。

さらに回答方法がバラバラだと、話はもっと面白くなる。グループに「参加」と書く人、元メッセージへリアクションする人、担当者へ個別LINEする人、体育館で「うち行くから」と口頭で伝える人が現れる。本人の中では全員回答済みなのだが、担当者の一覧では一部が未回答。全員同じLINEを使っているのに、なぜか情報だけは四つのルートに分岐する。便利な時代になったものである。

問題2 「既読」は返事ではないのに、返事をしたような空気だけが残る

LINEには既読が付く。この機能は普段なら便利だが、出欠確認になると急に人間関係をざわつかせる。「見ている。だが返さない」という事実だけが担当者に伝わるからだ。担当者の頭には自然と、「いや、そこまで読んだなら『参加』の三文字くらい打てるだろ」が浮かぶ。

ただ、返信していない側にも理由はある。仕事中に通知だけ見た、夫や妻に聞かないと予定が分からない、兄弟の試合日程が確定していない、車を出せるかまだ判断できない。「あとで返そう」と思ってスマホを閉じる。この「あとで」は非常に強い。冷蔵庫の奥に入れた賞味期限間近の豆腐と同じくらい、きれいに記憶から消える。

翌日には学校から連絡が来て、仕事のメールが来て、家族LINEが来て、通販サイトから「本日ポイント5倍です」というどうでもいい通知まで来る。出欠確認は通知の海へ沈み、木曜日が来る。本人に悪意はない。ただ、悪意がないことと、担当者の作業が止まらないことは別の話だ。

未回答者本人が抱えているのは「一件返事を忘れた」だけだが、担当者は参加人数を確定できず、配車があれば必要な座席数も決められない。場合によっては車を出せる家庭へ声をかけるタイミングも遅れる。一人にとっては小さな未返信でも、全体をまとめる人にとっては「最後の一個が入らないテトリス」なのである。

問題3 締切を守らない人より、「毎回催促する人」のほうが先に固定される

木曜日の締切になっても返事がない。担当者としては、本来そこで「未回答」で処理できれば楽なのだが、スポ少ではなかなかそうはいかない。本人が単に忘れているだけかもしれないし、未回答だからと子どもを試合から外してしまうのも気になる。結局、担当者が個別LINEを送る。

「日曜日の出欠、いかがでしょうか?」。すると「すみません!参加です!」とすぐ返ってくる。一件落着に見えるが、実はこの瞬間、静かに別のルールが誕生している。「期限までに答えなくても、最後は担当者から聞いてくれる」という非公式ルールだ。規約には一文字も書いていないのに、運用上はかなり強力である。

翌週も未回答者へ送る。その翌週も送る。いつの間にか出欠担当は、「回答を集計する人」から「返事を忘れた成人を一人ずつ回収する人」へ職種変更している。子どもには「先生に言われる前に自分でやりなさい」と教えている大人たちが、週末になると別の大人から催促される。スポ少には、ときどき教育について深く考えさせられる瞬間がある。

しかも担当者が丁寧な人ほど、この仕組みは長生きする。誰も困らせたくないから催促し、回答が来れば「ありがとうございます!」と返し、結果として未回答者も特に困らない。困るのは担当者だけだ。ここで「皆さん、期限を守りましょう」と一斉LINEを送っても、すでに守っている人ほど「気をつけよう」と思い、守ってほしい人ほど「誰かのことだな」と読んで終わる。非常に完成度の高いすれ違いである。

問題4 「参加です」の後ろに、小さな但し書きが次々と生えてくる

出欠確認は本来、「参加」か「欠席」を確認するものだ。しかしスポ少の現実では、「参加です。ただし帰りは別です」「参加ですが朝は現地集合です」「参加です。弟も連れていきます」「参加ですが車は出せません」と、参加の後ろに条件が伸びていく。もはや「参加」という言葉が本体なのか、但し書きが本体なのか分からない。

それぞれの事情はおかしくない。家庭が違えば予定も違うし、兄弟の送迎や仕事もある。問題は、その条件が一つの表にならず、LINEのあちこちに散ることだ。担当者の頭の中だけには、「A家は往路のみ」「B家は現地集合」「C家は弟同伴」「D家は復路不要」という巨大な注釈付き名簿が出来上がる。Microsoft Excelならまだしも、人間の脳には自動保存機能がない。

そして金曜日、「すみません、帰りも乗せてもらうことはできますか?」という一行が届く。送る側の作業時間は十秒程度である。しかし受け取った側は空席を確認し、乗せられそうな保護者へ連絡し、返事を待ち、配車を変更し、必要なら全体へ再度流す。こちらは普通に十秒では終わらない。

この差は、やったことがないと見えにくい。「一人増えるだけでしょ」と思われるが、配車表は居酒屋の椅子ではないので、空いているところへ適当に一人追加すれば完成とは限らない。帰宅方向、乗車人数、チャイルドシート、兄弟同伴などが絡めば、一人の変更で複数家庭が動く。LINEでは「お願いする負担」は見えるが、「お願いされた後の処理」はほとんど見えない。

問題5 全員が同じLINEにいるのに、担当者しか本当の状況を知らない

これがLINE出欠確認の最も厄介なところだ。同じグループに全員入っているので、一見すると情報共有は完璧に見える。だが実際には、Aさんはグループで参加、Bさんは個別LINEで欠席へ変更、Cさんは体育館で現地集合と伝え、Dさんはまだ未回答だが担当者だけは「たぶん来る」と聞いている。全員が同じ画面を見ているのに、持っている情報は全員違う。

そして当日、「○○さんは誰の車?」「え、現地集合じゃなかった?」「それ変更になったよ」「聞いてない」「LINEに出てなかった?」が始まる。もはや出欠確認ではなく、推理ゲームである。名探偵が一人いれば解決するかもしれないが、残念ながら集合時間の朝7時に欲しいのは名探偵ではなく、確定した名簿だ。

この状態が続くと、担当者を簡単に交代できなくなる。「来月からお願い」と名簿を渡しても、それだけでは足りない。「この家庭は返信が遅い」「この人には個別で聞いたほうが早い」「ここは兄弟も一緒に乗ることがある」といった暗黙知まで引き継がなければならない。出欠担当なのに、引き継ぎ資料が老舗うなぎ屋のタレみたいになっていく。

気が利く人ほど危ない。抜けを見つけて個別に連絡し、口頭で聞いた内容を転記し、変更まで整理してくれる。その人がいる間は大きな問題が起きないので、周囲は「LINEで十分じゃない?」と思う。実際にはLINEで回っているのではなく、その人の脳内に高性能な出欠管理システムが入っているだけである。月額無料だが、ある日突然「来年度は役員できません」とサービス終了する。

既読スルーを責めても、出欠確認はそれほど楽にならない

こういう話になると、「結局、ちゃんと返信しない親が悪い」で終わりやすい。それなら話は簡単だが、実際には返信する側だけ直しても完全には解決しない。期限内に全員が返信したとしても、自由形式の回答が流れ、あとから変更が入り、個別LINEや口頭連絡まで混ざれば、担当者は結局それらを一つの情報へまとめなければならない。

一方で、未回答者にも「面倒だから放置」という人ばかりがいるわけではない。一度「車出せます」と返信すると次も頼まれそう、早く答えて欠席だと目立ちそう、周囲の回答を少し見てから返したい、といった心理も入り込む。特に、チーム内で「協力的な家庭」と「そうでない家庭」がなんとなく採点されている空気があると、単純な出欠確認にも妙な駆け引きが生まれる。

だから「早く返事してください」を何度繰り返しても、仕組みが同じなら担当者の負担はあまり変わらない。必要なのは、未回答者の人格を改善することではなく、回答の入口を一つにして、「現在どこまで決まっているのか」を誰でも同じように確認できる状態にすることだ。保護者を教育し直すより、情報を整理したほうがだいたい早い。そもそも週末の大会前に、他人の親を教育するところから始めたくない。

「LINEをやめる」より、LINEにやらせる仕事を減らしたほうが現実的だ

LINEそのものは便利である。「雨天のため今日の練習は中止」「集合時間が変更になった」といった連絡なら、とても使いやすい。問題は、通知、回答受付、未回答管理、変更履歴、配車条件、質問への回答まで、全部一つのトーク画面に任せていることだ。冷蔵庫に洗濯機と電子レンジの仕事までさせて「なんか使いにくい」と言っているようなものである。

LINEで出欠確認を続けるなら、最低でも回答方法は一つに絞ったほうがいい。「グループでも個別でも口頭でも何でもOK」は一見親切だが、最後に整理する人へ全部しわ寄せが行く。そして締切後をどう扱うかも、お願いではなく運用として決める。「期限を守ってください」ではなく、「期限を過ぎた回答は、その時点で対応できる範囲で扱う」「担当者は未回答者を必ず個別追跡しない」といった形だ。

ここで「事前にルールを決めれば安心」という綺麗な話で終わらせるつもりはない。ルールを作っても、担当者が毎回例外を全部引き受ければ元に戻る。優しい人が「今回だけ」と救済し続けると、気づいた頃には「今回だけ」が通常営業になっている。スポ少では、仮運用が正式運用になる速度がときどき異常に速い。

大事なのは厳しくすることではなく、例外が発生したときに誰の仕事が増えるのかを見えなくしないことだ。「変更できますか?」と言うこと自体は悪くない。ただ、それによって誰かが三人へ連絡して一覧を作り直しているなら、その作業まで含めてチームの運営である。お願いした側のスマホ画面だけ見ていると、一行で終わったように見えてしまう。

出欠確認で見るべきなのは「返事をしない親」より「返事がない後に動く親」だ

スポ少のLINEで揉めると、どうしても既読スルーした人が目立つ。確かに、期限内に回答してくれれば担当者は助かる。しかしチームの運営状態を知りたいなら、未回答者の人数より、その後始末を誰がしているかを見たほうがいい。毎回同じ人が個別LINEを送り、口頭回答をメモし、変更を転記し、配車担当へ伝えているなら、その人が抜けた瞬間に仕組みが止まる。

逆に言えば、そこを見れば問題はかなり分かりやすくなる。「返信が遅い人をどうするか」という人間関係の話ではなく、「返信が遅れた場合、誰がどこまで対応するのか」という運営の話に変えられるからだ。人について話すと、「あの人はいつも」「いや家庭の事情が」と揉める。作業について話せば、「この個別催促は本当に必要か」と考えられる。

火曜日に送った「日曜日の出欠お願いします」という一文は、木曜日には催促になり、金曜日には個別連絡になり、土曜日には変更対応へ化ける。最初だけ見れば、確かに簡単な仕事だ。「参加か欠席か聞くだけじゃん」と思うのも無理はない。

ただ、担当した人には分かる。スポ少の出欠確認で本当に疲れるのは、参加と欠席を数えることではない。

大人に「参加か欠席か」を答えてもらうために、別の大人が追いかけ始めた瞬間である。

あなたのチームではどうですか?

スポ少・少年団・クラブチームで実際にあった出来事や、保護者として感じていることを匿名で教えてください。ClubCoreブログの記事づくりの参考にさせていただく場合があります。

※個人名・チーム名・学校名など、個人や団体を特定できる情報は入力しないでください。

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