「朝になって“ちょっとだるい”」スポ少の試合当日、体調不良を言い出した子を休ませる判断と連絡ルール

「朝になって“ちょっとだるい”」スポ少の試合当日、体調不良を言い出した子を休ませる判断と連絡ルール

日曜の朝6時20分。おにぎりは包んだ。水筒もできた。ユニフォームは出してある。玄関にはスポーツバッグがあり、配車表ではうちの車に子どもが何人か乗る予定だ。ここまで準備したところで、布団から「なんか、ちょっとだるい」と聞こえる。

本当なら、まず子どもの様子を見たい。ところが親の頭には、コーチ、配車係、同乗する子、今日の当番が次々現れる。寝室にいるのは親子二人なのに、脳内だけ臨時の運営会議が始まっている。しかも議長は「今日休んだら、みんな困るよね」という罪悪感だ。子どもの不調は笑い事ではない。ただ、その周りに積み上がった役割が、親の判断をややこしくすることはある。

まじめな親ほど、子どもの顔より配車表が浮かぶ

普通の練習なら「今日は休もう」と言えるのに、大会の日は迷う。スタメン予定、人数ぎりぎり、車出し担当、撮影係。欠席したときの変更が頭の中で一気に見えるからだ。子ども一人の欠席に、家庭が担当する仕事が全部ぶら下がっている。「ちょっとだるい」という短い言葉から、配車表の組み直しまで連想できてしまう。運営をよく知っている親ほど、こういうときに想像力が働く。

周りの苦労が分かるのは、悪いことではない。しかし分かるからこそ「とりあえず行けば何とかなる」と考えやすい。本人も「行ける」と言うかもしれない。大会に出たい、仲間に迷惑をかけたくない、親が慌てている。どんな気持ちが重なっているか、朝の一言だけでは分からない。「行くって言ったから大丈夫」と、都合のいい部分だけ採用しないようにしたい。

参加については子どもの状態を見て、必要なら医療者へ相談し、家庭で判断する。車や係をどう調整するかはチームで分担する。ここを分けると、休む判断が「チーム全体を止める決断」ではなくなる。家庭に必要なのは、欠員が出ないように子どもを起こす技術ではない。体調の変化を見て、今の状況を早く知らせることだ。

コーチへ「出ても大丈夫ですか」と聞きたくなる理由

迷うとコーチへ相談したくなる。「少しだるそうですが、連れていっても大丈夫でしょうか」。本当は、参加できるかを聞くと同時に、休んでも嫌な顔をされないかも確かめているのかもしれない。親は体調の相談をしているつもりでも、文面の下に「欠席を許してもらえますか」が隠れる。チームに協力してきた人ほど、急に役割を外れることに慣れていない。

コーチにとっても難しい質問だ。子どもの状態を直接見ていないし、医療判断をできる立場とは限らない。試合に来てほしい気持ちと、無理をさせたくない気持ちが重なる。だから医療的な判断の相談先と、出欠・選手起用を知らせる相手を分けたい。コーチの「来られたら来て」が、医学的な安全確認になったことにはならない。

受診や対処に迷う場合は、かかりつけ医などへ相談する。休日・夜間などには厚生労働省が案内する子ども医療電話相談(#8000)もあり、小児科医師・看護師に相談できる。実施時間は都道府県で異なるので、地域の案内を確認したい。この記事は参加可否を診断するものではない。たとえば日本小児科学会の「こどもの救急」は、呼吸が苦しそうで意識がぼんやりしている、唇が紫色といった場合に救急車を呼ぶよう案内している。そうした緊急の状態では、チームへの連絡より119番通報などの対応を優先する。

「会場で様子を見る」が、親にはいちばん丸く見える

家で決めきれないと、「一応連れていって、無理なら休ませます」が出てくる。子どもの気持ちも、チームへの配慮も、両方入った答えに見える。ただ、それが本当に状態に合った判断なのか、決める気まずさを先送りしただけなのかは分けて考えたい。ユニフォームを着て車に乗った時点で、本人には参加する流れがかなりできている。

遠征先で欠場や帰宅が必要になれば、同乗してきた子の帰りの車まで調整することになる。コーチや当日の担当も動く。家で休む連絡をするより、関係者が増える場合がある。「とりあえず行けば迷惑を減らせる」とは限らない。もちろん活動中に状態が変わることもあるが、最初から無理があるのに、出発することだけで判断を片づけない方がいい。

「弁当も作ったのに」「今日は大事な試合なのに」は、親として自然に浮かぶ。準備が無駄になるのは残念だ。ただ、おにぎりは昼に家で食べられる。配車表は直せる。子どもの状態は、準備済みの量で良くなるわけではない。ここで惜しいものを数え始めると、体調確認のつもりが、親の投資回収会議になってしまう。まず本人の様子に戻ろう。

「欠席します」の次に、車と係のことを書く

チームへは、長い経緯より、今何が変わるかを先に知らせる。「昨日までは元気で、夜中に一度起きて、朝は少しだるいと言っていて……」と書いているうちに、集合時間が近づく。事情を分かってもらいたい気持ちはある。でも読む側がまず知りたいのは、参加するのか、車は来るのか、当番はどうなるのかだ。申し訳なさを十分に書けてから送ろうとすると、連絡が遅くなる。

今朝、子どもに体調不良があるため、本日の大会は欠席します。看病のため保護者も参加できず、車出しは往復とも対応できません。わが家に同乗予定だった4名の配車変更と、担当予定のビデオ係の交代が必要です。急な連絡となり申し訳ありません。変更に必要な情報はお伝えします。

人数や係は実際の予定に置き換える。状態を確認中で、緊急の医療対応を要する状況ではないなら、「参加は確認中です。6時50分までに最終連絡します。車出しも変更になる可能性があります」のように、次の連絡時刻を伝える方法がある。その時刻は運営上の目安で、そこまでに症状が回復する約束ではない。安全のため休ませることを決めたら、保留を長引かせず連絡する。

連絡先は事前に決め、当日の連絡が届いたかを確認する。全体LINEに送っても、担当が移動中なら見ていないかもしれない。届かない場合の電話などの連絡方法も用意しておく。看病や受診で返信できない場合はその旨を伝え、調整はチームへ引き継ぐ。「必要な確認にはいつでも即返信します」まで約束しなくていい。看病している親のスマホを、臨時の運営本部にしないためだ。

「子どもは休むけど車は出せる」を、当然にしない

家族が看病を引き受けてくれて、親が車を出せる家庭もある。一方で、親も動けない家庭もある。子どもが欠席しただけで車を外すと、出せるはずの車を減らすことになる。逆に「親だけなら来られますよね」と期待すると、看病や家庭の事情に踏み込むことになる。選手の出欠と親の協力可否は、同じ情報ではない。

本人の参加、保護者の参加、往路・復路の車出し、係や持参物を分けて確認する。家庭から「できる」と申し出た範囲を受け取り、できない部分はチームで調整する。欠席した家庭が代役を全部見つけてから休む、という順番にはしない。「休ませます。ただし代わりの運転手と撮影係を自力で確保しました」が欠席の条件になったら、体調不良の日に求める仕事が多すぎる。

バックアップは、朝に探す人の名前ではない

急な欠席を誰かの機転だけで乗り切ると、機転の利く人が毎回動く。感謝はされるが、次からも当てにされる。そこで配車や重要な係には、予備の人や代替方法を事前に考え、本人の了承を得ておく。車なら対応可能な時間、往復どちらか、実際に乗せられる人数を確認する。名簿に「予備」と書いただけでは、その家庭の休日が予約できたことにはならない。

代替が足りなければ、代表や配車担当が調整し、必要なら集合方法や参加計画を見直す。バックアップがあるから無理に試合を成立させる、ではなく、無理をさせないために変更できる形を持つ。予定と出欠、配車、役割をClubCoreなどでまとめていても、一つの欠席変更だけで全部の調整が終わるとは限らない。関係する項目を確認し、必要な人へ変更を伝える。アプリへ任せられることと、人が判断することは残る。

負けた日の原因に、欠席した子を追加しない

帰ってきたチームが負けていると、休んだ子が「自分がいなかったから」と思うことがある。「あなたがいなくて大変だったみたい」と親が伝えると、その気持ちを強めてしまうかもしれない。人数や戦い方への影響はあり得る。ただ、試合結果の責任を、体調不良で休んだ子一人へ請求する話にはしない。元気になったらまた参加する、それで戻れるチームの方が休む判断もしやすい。

試合前だけ不調が続くなど、本人の不安が気になる場合も、最初から仮病と決めつけない。症状は必要に応じて医療者へ相談し、落ち着いてから練習や人間関係の困り事を聞く。今朝出発するかの話と、本人が何に悩んでいるかの話を一度に解決しようとすると、質問が取り調べのようになる。子どもが布団から説明するには、議題が多すぎる。

おにぎりを包んだ後でも、予定は変えていい

初めの朝に戻る。予定を整えた親ほど、急な変更にがっかりする。「今日は大事なのに」と思ってもいい。周りへの連絡が気まずくてもいい。それでも、子どもの状態を確かめ、必要な相談をし、休ませるなら早く知らせる。役割の変更はチームへ渡す。親が一人で子どもの回復と配車表の回復を同時に担当する必要はない。

チーム側も「了解、こちらで調整します」と受け取り、変更が必要な仕事へ進める。誰も急に休まないチームを作ることはできないが、急に休んだ家庭が責められずに戻れる運営は作れる。日曜の朝の寝室に、コーチも配車係も会計も呼び込まなくていい。そこにいる親子が体調のことを考えられるように、チームの仕事はチームへ返す。家で食べるおにぎりも、ちゃんとおにぎりである。

あなたのチームではどうですか?

スポ少・少年団・クラブチームで実際にあった出来事や、保護者として感じていることを匿名で教えてください。ClubCoreブログの記事づくりの参考にさせていただく場合があります。

※個人名・チーム名・学校名など、個人や団体を特定できる情報は入力しないでください。

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