「平日、家にいますよね?」と聞かれて「在宅勤務」が「在宅待機」に変換された日|スポ少の当番で共働きと専業の溝を深めない方法

目次
「須藤さん、平日の昼、家にいますよね?」
LINEに、そう届いた。須藤さんは、パソコンの画面から目を離さずに、返信した。
「はい、います」
質問には、正確に答えた。ところが、その答えから、予定が一つ作られた。
「じゃあ、鍵の受け取りをお願いできますか?」
須藤さんは、会議中だった。
「ひえぇぇぇーー! 在宅勤務が『在宅待機』に変換されてるぅぅぅ!」
もちろん、心の中の叫びである。在宅勤務という言葉が、相手のスマホでは、在宅待機に変換されていたらしい。
外で働く親は、日中に動けない。家にいる親にも、用事がある。ここまでは皆分かっているのに、実際の依頼先は、いつもの数人に落ち着く。「皆さん忙しいですよね」と平等にうなずいた後、同じ人だけが役所に向かう。会議では負担を共有したが、移動時間までは共有できたわけではない。
「平日いますよね」で、他人の予定を白紙にしない
仕事のない日は、暇な日とは限らないし、専業で家のことを担う人の予定が軽いわけでもない。かといって、「専業のほうがもっと忙しい」と逆転勝利を狙うと、今度は互いの生活の大変さを採点し始める。チームで決めたいのは鍵を受け取る人であって、今年度の多忙王ではない。
頼む側にも、切実な事情はある。仕事は抜けられず、何度も頼むのが申し訳ない。ただ、その申し訳なさが十分伝わっても、頼まれた家の予定は戻らない。深々と頭を下げることで依頼の重さまで下がるなら便利だが、移動二時間は、敬語を増やしても、二時間のままだ。
引き受ける側も、「この人、本当に困っているんだろうな」と考えて、断れないことがある。一回の協力で助けられるのは、うれしい。だがその実績から、次回も候補の先頭になると、善意に学習機能が付いてしまう。前回できた人の名前をコピーする前に、今回できるかを、あらためて聞きたい。
「誰が行けるか」の前に、その用事を小さくする
施設への手続を、受け取り、移動、書類記入、結果の連絡まで、一人に渡していないか。現地に行ける人に写真だけ共有してもらい、記録の整理は別の人がするなど、分ける余地はある。ただし、現地の条件や個人情報の扱いは確認する。「行けないので申し訳ないです」の後に、実際に引き受けられる仕事を相談できる形が、欲しい。
鍵の受け取りは、水曜の昼、前後を含め約一時間の見込みです。申込書は前日までに、別の担当が用意します。対応できる方は、〇日までにご連絡ください。
文面は、実際の状況に合わせて書き換えてください。
こう募集すれば、仕事の輪郭が見える。単なる「少しお手伝い」と比べて、気軽さは減るが、引き受けた後の驚きも減る。募集文だけ五分で、現場に着くと半日コースになる親切なツアーは、避けたい。
働いている親も、欠席の謝罪だけで協力を終えない
日中に動けない家庭に、「何とかして」と言っても、その時間は生まれない。一方で、平日に行けないから運営の話を全部見なくてよい、となると、負担は寄る。ほかに担当できる作業があるかを確認したい。責めるためではなく、現場に来る以外の関わり方を作るためだ。
たとえば、資料の整理、会計記録の入力、次回の案内文の作成など、期限内なら家で進められる仕事もある。実際にチームで必要か、情報を扱う権限や手順はどうするかを確認し、頼む内容を具体的にする。夜にできると言っても、全員が夜中なら無限に働けるわけではない。
平日の手続をした人が、写真を送り、帳簿に入力し、全員に結果を知らせるところまで抱えているなら、前後の作業を分けられるかを見る。「現地に行ける人が最後まで」が当然でなくなれば、日中に動けない家庭も、一部分を引き受けやすい。
回数だけ同じでも、内容まで同じにはならない
当番を一回ずつにすると、表はきれいにそろう。けれど、十五分の確認と半日の手続は、同じ一回でも負担が違う。親は当番表を見て「平等」と聞き、時計を見て「そうかな」と思う。表の一マスに入れたことで、時間差が消えるわけではない。
だから、仕事ごとに日時の制約、移動、準備、終了後の作業を確認する。点数を付ける方法を選ぶ場合も、何を数えるかを相談する。細かくしすぎると、今度は点数を管理する新しい当番が生まれる。公平を追いかける係だけが、まだ点数をもらっていない、という状態にはしたくない。
毎回同じ家に仕事が寄る問題は、日曜の夜、リビングにチームカラーが整列してテレビが見えない|スポ少のビブス洗濯を、毎回同じ家に回さない当番の決め方でも取り上げています。
家庭に聞くのは、「暇な日」より「引き受けられる範囲」だ。できない理由を全員に公開する必要はない。変わる予定を更新でき、断った場合の相談先もある。そのほうが、親が自分の忙しさを立証する大会になりにくい。
ClubCore(倶楽部コア)は、予定、出欠、配車、担当を一か所で共有するために作りました。仕事の日時や所要時間が見える形になっていると、「いつもの人」に頼る前に、引き受けられる人を探しやすくなります。実際の画面はデモで見られます。
断った親を、忙しさの証明大会に出さない
断る時は、「その時間は対応できません」でよい。別の作業ができるなら伝え、難しい時は、代案を無理にひねり出さなくてよい。断る権利を得るために、通院、介護、家事の予定を全員に発表する形にはしない。家庭の予定表は、チームの公開資料ではない。
次の依頼では、働き方の欄から候補を選ばず、具体的な日時と作業を示して、引き受けられる人を確認する。少し手間でも、そのほうが、同じ人の午後を毎回消さずに済む。
翌月。須藤さんのスマホに、新しい募集が届いた。
「鍵の受け取り、水曜の昼、約一時間です。対応できる方、挙手をお願いします」
須藤さんは、返信した。
「その時間は会議で対応できません。資料の整理なら、夜にできます」
「ありがとうございます! では資料をお願いします」
「な、な、なんでなん!? 『家にいますよね?』って、聞かれへんかったぁぁぁ!」
「家にいます」と返した後、普通に自分の予定に戻れる。それくらいの在宅は、認めてほしい。家は、チームの平日支店ではない。ほしい。家は、チームの平日支店ではない。
あなたのチームではどうですか?
スポ少・少年団・クラブチームで実際にあった出来事や、保護者として感じていることを匿名で教えてください。ClubCoreブログの記事づくりの参考にさせていただく場合があります。
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